「はじめての繭期2025」で、KQ界隈で親しくしている人が推すTRUMPシリーズをやっと見てみられた。そして大変気に入って、DMM TVでシリーズ作品を追っている最中である。
先に言っておくが、このTRUMPシリーズ、なんとおれのヘキにはかすってもいない。
にも関わらず何がそんなに気に入ったのかというと、ひとえにストーリーと演出が素晴らしい。
というかね、ヘキでもなんでもないのに面白くてシリーズ追ってしまうって純粋に作品品質が良いからなんですよ。ヘキの前では作品品質なんて二の次じゃん。そうじゃないから……だからすげえんだよ……!!!!
ちなみにTRUMPシリーズがどんな雰囲気の物語かをざっくり言うと悲劇。凄惨な内容になることもある。中にはじーんと来るいい話もあるけど、基本的に重たい話。そういうのが好きな方にはオススメだよ。吸血鬼モノや貴族社会モノが好きな人ならきっと楽しめるだろう……。そうでなくとも面白いけどね!!
多少金を払ってでもTRUMPシリーズを見てみたいぜって方にはDMM TVがオススメだ。なんと月額550円でTRUMPシリーズの作品が多数見放題(全作品ではない)。14日間の無料体験もある。
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これで終わるのもなんなので、もうちょっと詳しい感想も書いてみる。
「TRUMP」シリーズのどこが気に入ったか
何がこんなに気に入ったかって、まずストーリー。親しみやすい導入から始まり、初見の観客も置いていかないしっかりとした用語説明。そして引き込まれる物語展開と丁寧な伏線回収、意外性ある真相、消化不良を残さない物語の畳み方。とにかく面白かった。既に多数の作品が展開していたこともあり、もっとこの世界の物語を知りたいと思わされた。魅力的なキャラクターが多数登場するのも良い。
次に演出。舞台作品はほとんど見ないので、他の作品と比較してどういった水準にあるのかは全くわからないのだが、とにかく巧みな演出がなされていると感じた。
舞台ってひとつの舞台の中でいろいろな場面を生み出さなきゃいけないと思うのだが、照明を駆使して同時に複数の場面を演出しているところがすごかった。回想シーンで他者を思い浮かべているだけであったり、窓から外を見ている人とその人を見ている窓の外の人であったり。舞台作品の鑑賞に不慣れでもすんなりそうと解釈できる場面が作り出せるのはすごいことだと思うんだよね。
それに、本当にこれは舞台かと思わされるほどに高速の場面転換が次々行われたりもする。照明の色と当たり方なのか、衣装や髪の色が本当に変化したように見える場面もあり、そしてそれが非常に効果的に使われてもいる。
舞台作品にはこれまでほとんど縁がなかったけれど、いろいろな劇団の公演を見てみたいと思ったし、TRUMPシリーズはいつか生で見てみたいと思った。
「はじめての繭期」すごくいい企画だし商売上手だなぁとも思ったよ! 今年を逃した人は次回があるといいね!
「TRUMP」ってなあに?
「TRUMP……4つのスートでゲームするカード?」って思った人はいると思うが、そうではない。これは作中用語。
TRUMPシリーズは吸血種たちの社会で起きた様々な物語を描いた作品。(吸血鬼のことを、このシリーズでは「吸血種」と呼ぶ)
吸血種たちの社会は貴族社会で、数々の名門貴族が議会に集って社会を統治しているという世界観。人間社会とは互いに交流を禁止している。
そしてもう一つ禁じているのが、「吸血種同士で互いを噛むこと」。吸血種が吸血種を噛むと強制的な主従関係が生まれるため、社会のルールとして禁じられている。(ここ好きポイント)
また吸血種が人間で言う思春期の年代になると「繭期」と呼ばれる独特の状態に陥る。著しい情緒不安定から衝動的な行動を起こす者が多く、人間社会との不可侵を保つための障害となるため、繭期の吸血種を収容して繭期が終わるまで穏便に過ごさせるための施設「クラン」が存在する。
つまり、この世界の吸血種たちは理性的で秩序ある社会を築いており、その維持のために様々な工夫を凝らしている。
なのだが、それにも関わらず事件は起きてしまう。
その一因となるのが、TRUMP。全ての吸血種たちを生み出した「はじまりの吸血種」とされる存在が、そう呼ばれている。
TRUMPシリーズとは、TRUMPを巡る吸血種たちの物語なのである。
ちなみにこの辺の用語や、ここに書かなかった様々な作中用語は全て各作品の作中で解説されているので、初見でも理解に困らず、話に置いて行かれることもないぞ!!
どれから見たらいい?
「はじめての繭期」みたいなイベントで見るでもなければ、入口に困るよね。
案としては、
- 最新作から(2025年9月現在は「キルバーン!」配信チケットもあるよ!)
- 上演順で(つまり「TRUMP」から)
- 時系列順で
- 「はじめての繭期」と同じ順で
- あらすじを見て気になったものから
- 知っている出演者がいる作品から
- キービジュアルが一番好きなものから
とかがあるかな……?
前述の通り、どれから見ても作品の理解に困ることはない。事前に他作品を見ているとより理解が深まることはあるけどね。物語が繋がっている作品もあるので。
シリーズ作品の全上演順は公式サイトに載ってるよ!
時系列とあらすじはポニーキャニオンのディスコグラフィが詳しい。
「TRUMP」から見る場合のオススメ
もしも「TRUMP」から見始めるなら、その次に見る作品は、
- ソフィのその後を追いたい:「マリーゴールド」→「LILIUM」
- ダリちゃんが気に入った:「グランギニョル」
という感じで見ていくのを個人的にオススメしておく。
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シリーズ作品を追うときの順番オススメ
シリーズ作品を追っていくなら、見る順番として
- 「LILIUM」→「黑世界(雨下の章→日和の章)」
- 「グランギニョル」→「デリコズ・ナーサリー(アニメ)」
の順を個人的にオススメしておく。これが時系列順になっているため物語が理解しやすいし、シリーズ内でネタバレ踏むこともないからね。他の作品は適当な位置でいいと思うんだけどね。
ちなみにおれは「デリコズ・ナーサリー」を先日見終わったので、この後は「COCOON(月の翳り→星ひとつ)」→「TRUMP(TRUTH)」の順で見ようと思っている……。一応これも時系列順。おれは時系列順鑑賞が好き。
「はじめての繭期2025」配信作品の簡単な紹介
見る順の参考として紹介しておく。「はじめての繭期2025」とは、ポニーキャニオンVIDEOのYouTubeチャンネルで5夜連続でTRUMPシリーズのうちから5作品が配信されたイベントだった。(アーカイブ配信なし)
参考までに公式サイトでのお知らせはこちら。
配信作品は、
- ミュージカル『ヴェラキッカ』(2022年上演)
- ステ12th 『TRUMP』 REVERSE (2013年上演)
- ミュージカル『マリーゴールド』(2018年上演)
- 『LILIUM -リリウム新約少女純潔歌劇-』(2023年上演)
- 音楽朗読劇 『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』 雨下の章 (2020年上演)
以上の5作品。どうやら時系列順になっているらしい。
シリーズ最初の作品は「TRUMP」なのだが、TRUTHとREVERSEの2バージョンがあり、登場人物のキャストが多数「反転」している。正史キャストはTRUTHっぽい雰囲気を感じているが、知ったばかりのにわかなので間違ったこと言ってたらごめん。
そしてこの5作品のうち、2作品目の「TRUMP」から5作品目の「黑世界 雨下の章」までは物語がはっきりと繋がっている。ここは本当、続けて見られてよかった。
配信された5作品のあらすじ
「ヴェラキッカ」は時系列順で少々浮いた位置にあり、「TRUMP」よりかなり前らしいことだけがわかっている。吸血種の名門貴族ヴェラキッカ家では多数の養子を受け入れており、家族を失った少女キャンディが新たに養子入りするところから物語が始まる。家訓はたったひとつ、「当主を愛すること」だというが……? 元気が出てくる明るい歌が多い作品。
「TRUMP」は、吸血種と人間の混血であるソフィ・アンダーソンが主人公。彼は繭期となりクランに収容されたが、他の少年たちには忌み嫌われる。しかしソフィを嫌わず接してくれる少年もいて……。シリーズ最初の作品なこともあって、シリーズ全体のキーパーソンが多数出てくるため、早めの履修がオススメ。今回のラインナップではこれだけミュージカルではない。あとキャストが全員男性。
<PR>Dステ12th「TRUMP」TRUTH(TRUMPシリーズ)
「マリーゴールド」はある人間の作家と、その娘が主役。作家はペンネームとして「ダリ・デリコ」を名乗っているが、それは「TRUMP」に登場した議会の有力議員の名前。そして娘は吸血種と人間の混血。彼女たちの元へ、ある日ファンを名乗る来客があって……? 母娘、姉妹などの女性同士のデュエットが美しいハーモニーで好き。
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「LILIUM」は「TRUMP」とは逆で、少女たちが集うクランが舞台(キャストも全員女性)。ある一人の少女が行方不明になってしまった。だが、リリーが聞いて回ると誰もその子のことを知らないという。いったいどうして? 困惑するリリーの前に現れたのは……。美しい曲が多くて印象的。
<PR>LILIUM -リリウム 新約少女純潔歌劇-(TRUMPシリーズ)
「黑世界」は「LILIUM」の続編。「LILIUM」の結末のネタバレになりかねないので多くは語らないことにする……。「雨下の章」と「日和の章」の二つがあり、どちらも全6話構成。オススメは雨下→日和の順。どちらも優しい物語で好き。「LILIUM」の後に見るのが個人的オススメなので、作品リンクは貼らずにおく。
なお4作品目の「LILIUM」はキャスト変更を行った「新約」バージョンだった。「マリーゴールド」や「黑世界」と「LILIUM」で共通する登場人物が同じキャストで出ているのは旧キャストバージョンで、こちらはDMM TVでも公開されておらず円盤を買うしかない。商売上手……!(LILIUM新約の円盤の特典映像「二輪咲き」も気になっている。商売上手……)
おわりに
仲良くできる人の推す作品は見ると気に入ることが多いんだけど、今回はそれを改めて実感したな……。いい作品に出会った。
この記事をきっかけに「TRUMP」シリーズを見てみたくなった人はDMM TVへGOだ! 14日間の無料体験もあるよ!
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